JNCC第8戦 AAGP、爺ヶ岳定番のゲコタが本領発揮

日時:10月8日
会場:長野県爺ヶ岳スキー場
天候:雨
コンディション:マディ
PHOTO&TEXT:稲垣正倫

日本でもっとも大規模なクロスカントリーレースJNCCの第8戦AAGPが開催。そのエントリー台数、なんと盛り上がること690台にもおよぶレースとなった。毎年国際格式で開催される同レースは、提携しているGNCCからゲストライダーが来ることも目玉の一つ。今回はHondaからクリス・バック、ハスクバーナでジョシュ・ストラングが来日。

また、AAGPが盛り上がることを見込んで、多数の普段見られないライダーが参戦してくるのも、このレースの特徴で、今季参戦を休止していた水上泰佑や、JECを中心に参戦していた熊本悠太、同じくJEC中心に活動する大川原潤もJNCCに久しぶりに顔を見せた。

レースのほうは2名のゲストが圧倒的な実力をみせ、また渡辺学がチャンピオンを死守。クラス問わず、iRC ix-09wゲコタの人気は、相変わらず非常に高いものがあった。今季のJNCCでもっとも後半に目立った活躍をしたAクラスの斉木達也は、この爺ヶ岳にあわせてタイヤをゲコタ&ムースというチョイスで参戦。みごとに総合4位、日本人内2位とクラスを超えた成績を叩き出した。

森耕輔
モトプライム&AMSOIL
YZ250 
前:ix-07s(ムース) 後:VE33(ムース)

昨年はGEKKOTA参戦、ガレクライムでの走破性は最高でしたが、ウッドチップやウッズの土での 加速・ブレーキング・コーナーリングをイメージ通りのライディングが出来ないことが多かったので、VE33を選択しました。その選択が良かったためか、スタートで他のライダーよりも前に進むことができ、一番手で1コーナーを通過出来ました。ガレクライムでは、GEKKOTAには劣りますが、ウッドチップやウッズでは狙い通りのライディングできました。

ゲレンデ登りの中盤まではトップグループにいましたが、ロックンロールリバー源流と言われる沢の下りに入った辺りで前転してしまい、殆どのAAライダーに抜かれてしまいました。その後もペース上げて走っていましたが、2~3周目にウッドチップに隠れていた石に激突してしまいクラッシュ。

バイクとライダーにダメージを負ってしまい、ペースを落としての走行になりました。結果は AA1クラス17位 総合33位でした。

水上泰佑
TEAM ダートバイクZIM RACING 
KTM 250EXC 
前:ix-07s(空気圧0.8) 後:ix-09wゲコタ(空気圧0.6)

ix-07sは、どのメーカーのタイヤよりも柔らかく、ガレや根っこなどでグリップしっかりしてくれるので、雨でも晴れでもこのタイヤを信用しています。リヤはゲコタ以外を履く理由がありません。間違いなく爺が岳にはゲコタが1番だと思います。

持っているムースが全てヘタり過ぎていたので仕方なくチューブを選択。JNCCでチューブを履くのは初めてで、パンクが怖かったですが、チューブ二枚重ねなどしてパンク対策と走り方でパンクの予防をし、事なきを得ました。

ガレ場はやはりゲコタの真骨頂。今回難所のガレ場は全てノーミスでノンストップでした。ゲレンデの土の区間のは多少滑りましたが、グリップ力が極端に落ちることはありません。止まると再発進できないタイヤが多いのですがゲコタはそこを武器とすることができます。

レースの内容ですが、スタートに失敗してAA最後尾からの追い上げでした。今回トレーニングも練習も特にせずの参戦でしたので、体力に自信がなく最初の1時間は体力温存しながらの走行でした。コースの下見もしていなかったのでちょうどよかったです。下のクラスからもかなり抜かれてペースを上げたかっですが、我慢しながらの走行。1回目の給油で1時間たったのでここから少しペースを上げていきます。得意な雨のコンディションもあり他のライダーが疲れてコケてたり、ハマってる横を抜いていきます。レース時間は30分短縮された2時間半で終わりました。終わってみればいつもより体力が残ったまま終わってしまい、自分の前半のペース配分のミスで追い上げができないままフィニッシュ。
こんなに疲れなかったのはやはり前後タイヤのグリップ力のおかげ。あの難しいコンディションで転倒回数を抑えれたおかげで体力も大幅に落ちることはなかったです。本当にタイヤのグリップ力に助けられました。

熊本悠太
バイカーズベア with CFC 
YAMAHA YZ250FX 
前:VE-35F(空気圧1.0) 後:iX-09W GEKKOTA(空気圧0.8)  

ゲレンデはあまり得意じゃないのでガレとウッズで勝負するため、今回もゲコタをチョイスしました。結果AA1 15位 総合22位でした。

スタートは10番手以内ぐらいだったと思います。そこからしばらく前の選手のドロを浴びながらガレクライムまで走りました。ゴーグルがほとんど見えないままに、ガレクライムをアタックしたため石が見えず転倒。ゲコタなので一呼吸おき難なく再発進できました。数台に抜かれてしまったので取り戻そうとハイペースでゲレンデを下ってる途中にクラッシュ。
ここでラジエーター変形、ハンドガード破損などその他諸々、支障が出てしまいました。

ラジエーターシュラウドが張り出しとても乗りにくくなりましたが、水漏れは無いようでしたので、そこからは冷静になり、とにかくミスをしないよう走りました。終盤までに同クラス5台くらい抜き順位を上げることが出来ました。

今回もやはりロックンロールリバーやウッズでGEKKOTAに救われました! ほとんどノーミスで安定。今回は雨のため30分短縮になってしまいました。終盤ウッズが荒れてきたりマディ好きとしては逆にあと30分あればもっと楽しい事になったし、ゲコタが更に実力を発揮出来たのにと少し思いました。