JEC第3/4戦 日高スリーデイズエンデューロでiRCライダーが活躍

日時:9月19日/20日/21日 ※JECとしての開催は19/20日に限られる
会場:北海道・日高町周辺 
天候:雨 
コンディション:マディ
PHOTO&TEXT:稲垣正倫(Enduro.J)

 全日本エンデューロ選手権のラウンド3、4が北海道日高町にて開催。全日本開始よりもずっと以前から脈々と受け継がれ、今年で31回目を数える日高エンデューロは、はじめての「3日間開催」。名称も日高スリーデイズエンデューロとした。今までは、2日目にファイナルクロスをおこなう都合上、2日目にあたるラウンドがほとんどモトクロスに近くなってしまっていたが、3日にすることでより本場ISDEに近い競技性を保つことができるようになった。

 しかし、天候は初日から雨。例年よりもトラディショナルな構成とされたルートやテストは、過去最長のものとなり、すなわち近年まれにみる難しさとなった。1日目の完走は、40名。厳しい日高が、帰ってきた。

 IAクラスでは、ISDEの経験も豊富でエンデューロライダーとしての強さにぬきんでる小菅浩司に期待が寄せられたが、本人も自分の思ったようなライディングができなかったとのこと。1日目は4番手タイムを出しているもののリザルトは8位。2日目には6位まで順位を上げ、3日の総合では5位とゼッケン通りの順位を確保。
 大川原潤はここにきて好調な走りを見せ、1日目6位、2日目8位でファイナルクロスではホールショットを奪取。3日総合でも6位につけた。
 和泉拓は、今戦ランキングでの成績を考えず、ファンライドマシンにあたるベータのRR4T125LCで出走。どこまで食い込めるかのチャレンジをしていたが、リアブレーキを失いながら両日を10位、総合で9位と大健闘。
 小菅泰輝は、1日目はガソリンに大量の水が混入してしまうマシントラブルに見舞われDNF、2日目には7位と好結果を出している。

小菅浩司

大川原潤

和泉拓

小菅泰輝

小菅浩司
SHERCO OA RACING
SHERCO 250SEF-RSIXD
前:ix-09w  後:BR99 (140)

 思ったようなライディングはできませんでした。空回りした感じですね。
 テストでミスが多いのはみんな同じでイコールコンディションですし、セッティングでも失敗はしていません。タイヤも柔らかめのコンパウンドであるBR99にかためのムースをあわせていて、よくグリップしました。ウッズやマディには最適ですね。100%の実力を出したいので3日全て交換しています。あとで水で洗ってみてみたら、やはりだいぶ減っていました。
 今回の敗因は、自分のスピード不足。日高のマディは、小手先ではどうにもならない本当の実力が試されるんです。いつもよりはっきりと、自分の足りないところを実感しました。

大川原潤
BETA UbukataJAPAN ROCKERS 
Beta RR2T 250
前:ix-07s 後:BR99

 1日目の2周目までうまく走れなくてだいぶ苦労したんですが、3周目前にサスのセッティングをかえたらドンピシャ、タイムも出るようになりました。今年はマディのセッティングに悩まされていたんですが、この日高でばっちり決まった感じです。
 2日目の調子は上々でしたが、朝のワーキングエリアに早めにはいってしまって、1分ロスしてます。かなりもったいないことをしました。これで2つ順位を落としてしまっていますから。
 タイヤに冠しては、フロントは激マディでもうまくグリップしてくれてコントローラブルでした。リアも素晴らしく、イメージ通りの走りができましたね。すべってのぼらないようなことは、皆無でした。

和泉拓
TeamBetaストレンジモーターサイクル
Beta RR4T125LC
前:ix-07s 後:TR011ツーリスト(3日目はBR99)

 125とツーリストの組み合わせは、まったく問題ありませんでした。レースはスタートしてすぐにリアブレーキが効かなくなったので、フロントも減ってしまわないように極力ブレーキを使わないように走りました。そのせいもあってか、まったくタイヤは減っていません。
 マディの日のツーリストは、誤解されがちなのですが、レブまでしっかり開けてのぼることが大事です。RR125であれば、2速でレブらせながら走るようなスタイルですね。滑らせないようにトライアル走りするようなイメージがありますが、まったく逆です。
 それと、今回はiRCのスタッフのサポートが本当に助かりました。ありがとうございました。

小菅泰輝
MCオープンエリア 
YAMAHA YZ125
前:ix-09w  後:BR99

 公道走行を意識してムースをパツパツにいれたんですが、そのせいもあってマディでは結構スリッピーに感じました。川の中では、とてもグリップしてくれました。
 1日目は予期せぬトラブルでどうしようもありませんでした。2日目も気持ちを切り替えて趨りたかったんですが、苦手なマディということもあって攻めきれなかったですね。最近は仕事が忙しくて週に1度練習できればいいほう。SUGOまで、鬼門もエンデューロテストをしっかり練習していきたいと思っています。

 IBクラスは、目下ポイントリーダーの前橋孝洋が1日目に自分のペースをつかめずに3位に甘んじた。2日目にようやく優勝を手にするものの、3日での総合では2位。

前橋孝洋

前橋孝洋 
モトクラブオープンエリア
Husqvarna WR125
前:ix-09w  後:BR99

 公道を使うため、いつものYZ250Fから昔乗っていたWR125に乗り換えて参戦したのですが、なかなか順応できずに悔しい思いをしました。特に1日目は自分の走りができませんでしたね。
 タイヤに冠しては、フロントはムースをつめすぎて失敗した感じ。コントロールしづらかったです。リアは林道からテストまで調子よく、いつもより減っていました。
 2日間とおして、走りはよくなかったのですが、ポイント差は拡大できたことになるので、まずまずです。SUGOはモトクロスIAライダーが速いので、負けないように攻めること、IAを含めた総合で5位以内を目標にしたいと考えています。来季、1度は表彰台に乗りたいですから。