IRCライダーが表彰台を独占! G-NET最終戦、日野ハードエンデューロ

HINO HARD ENDURO
日時:2019年11月23-24日
会場:群馬県 日野カントリーオフロード
天候:雨
コンディション:ウェット
PHOTO&TEXT:アニマルハウス

G-NET全日本ハードエンデューロ選手権、昨年5連覇を成し遂げ、今年はチャンピオンを最優先としないことを表明していた高橋博だったが、蓋を開けてみれば、ランキング1位で最終戦を迎えることになった。

台風19号の影響で壊滅的な打撃を受け、昨年のコースのほとんどが使えない状態に陥った日野は、通常のコース営業を休止、熱意あるスタッフの手によってレースができるまでに復旧を果たした。G-NETの難易度を保つために新規の山を開拓したため、さらに広大かつバリエーションに富んだコースに生まれ変わったのだった。

IRCテントでは号令がかけられ、スタッフ、ライダーが共に勝利を目指して気合いを入れる姿が恒例になってきている。もちろん音頭を取るのは高橋だ。

今回のレースは2DAYS開催となっており、土曜日は雨と、午前中に行われたミディアムクラスのレースで掘られた路面の影響で滑りやすく、スタッフの判断で一部コースカットも行われた。今年のコースはスタートしてすぐに「ヤブサカ」と名付けられたヒルクライムが待ち受ける。これは昨年の「フィニッシュヒル」のすぐ隣に新規開拓されたもので、いきなりかなりの難易度をもつ。ここで、篩に掛けようと言うのだ。

最初に姿を表したのは中野誠也だった。しかし中断でスタックしてやり直すために降ったところを、水上泰佑が登頂。中野が2度目のトライで水上を追い、それから1台挟んで高橋が続く展開に。

この日は、第10セクション「日野スタジアム」が分水嶺だった。なんとここではトップ3を走っていた水上、中野、高橋の3人が誰一人として登れないまま後続が追いついてきてしまい、トップライダー10台以上が渋滞する事態に。高橋が下からリトライを狙い、水上、中野が中段からなんとか押し上げようともがく中、マーシャル判断で翌日のハード用に作られたラインが開放された。

水上、中野はここで築いたリードを守り、1-2フィニッシュ。高橋は日野スタジアムで苦戦し、大きく遅れてしまうが、後半で巻き返し3位入賞。

また、スタートで大きく出遅れて最後尾からの追い上げレースになった泉谷之則が根性で最後の周回者となり、8位でチェッカー。

明けて日曜。天候は回復しないまま、スタートを迎えた。コース設定は土曜と大きく変わらないものの、ラインの見直しが行われたりコンディションの悪化によりカットされたり。そして後半には日曜だけ使われる下見禁止エリア(遭難・熊出没の危険があるため)も待ち構えていた。

この日は全日本トライアル選手権から小川友幸、野崎史高の2名も参戦し、G-NETトップライダーにとっても刺激的なレースになった。

やはりスタートすぐに待ち構えていた「ヤブサカ」は、土曜日に使用した影響でコンディションが悪化、高橋や野崎、中野といったほとんどのライダーが自力で登れず観客のヘルプを借りることに。しかし前日優勝の水上は、1番手で颯爽と駆け上がっていった。

この日、レースの行方を大きく左右したのは「モトヒル」、そして一度はカットになることがアナウンスされたものの、急遽開放された「壁」の2セクションだった。

「モトヒル」は高橋がトップ通過、それに小川と野崎が続いたところで後続が登れなくなった。特に水上はここで大きく足止めをくらってしまい、順位を落とすことに。

高橋が野崎に追いつかれたのは、後半の「三波沢」。そしてそれに続く「三波ヒル」では一進一退の攻防に。「熊沢」で野崎に先行を許した高橋が「壁」に阻まれていたところを、なんと追い上げてきた水上が抜き去り、2番手に浮上。

DAY2は2位に水上、3位高橋、5位泉谷、7位中野というリザルトに。そしてDAY1とDAY2の総合成績では水上、高橋、中野の順で1-3位を独占することになったのだ。

水上泰佑
ダートバイクZIM
KTM 250EXC TPI
前:iX-07s(空気圧:0.6kgf)
後:VE-33s GEKKOTA(空気圧:0.2kgf)

「土曜は日野スタジアムで作ったリードを守って、それ以外はミスもなく、優勝することができました。日曜日はモトヒルまでトップを走っていたのですが、そこが上がれずに苦戦してしまって、大きく順位を落としてしまいました。

エスケープゾーンが開いてから再スタートしたんですが、今度は攻めすぎて沢に落ちてしまって…それから復帰する間にまたいっぱい抜かれてしまいました。けっこう渋滞してベストラインが塞がっていたのを別ラインからうまく抜いていって順位を上げました。

タイヤはやはりiX-09w GEKKOTAと悩みましたが、16歳くらいからずっと愛用しているVE-33を信じて、VE-33s GEKKOTAを選びました。バイクも2020モデルの250EXC TPIが最高で、僕は体を振れずにアクセルを開けるだけで良かったので、とても楽でした。

最後の「壁」も高橋選手たちとは別のラインを使って一人で押し上げることができたので、結果2位まで追い上げられました。2DAYS通しての総合優勝と、ランキングも2位まであげることができたので満足しています。来年はチャンピオン狙って頑張ります」

高橋博
チームベータIRCエンジョイズ
BETA RR2T300
前:iX-07s(空気圧:0.6kgf)
後:VE-33s GEKKOTA(空気圧:0.18kgf)

「今日(日曜日)は野崎選手といいレースができていたのですが、最後の「壁」では完全にやられましたね。とても一人で上がれる気がしなかったところを、先に上げられてしまって、そのあと泉谷選手と佐々木選手と一緒に協力して登っていた脇を水上選手が別ラインからクリアしていってしまって。あのラインを見つけられなかった僕の完敗ですね。

僕は雨の日はVE-33s GEKKOTAって決めているのですが、昨日(土曜日)はそれを裏切ってiX-09w GEKKOTAを選んでしまったんですね。もちろんどちらも良いタイヤなのですが、VE-33s GEKKOTAの方が、滑ってしまった時に止まるのが早いんです。

今年もなんとか年間チャンピオンを獲ることができましたが、いよいよ若手も育ってきていますので、来年はそう簡単にはいかないでしょうね。今すごく成長している泉谷選手と原選手が一緒に練習してくれていて、二人に引っ張ってもらっています」

中野誠也
九州男塾 葛城組 高石二輪レーシング JERYY`S MOTUL IRC
HONDA CRF250R
前:iX-07s(空気圧:0.6kgf)
後:iX-09w GEKKOTA(空気圧:0.28kgf)

「タイヤは悩みましたが、VE-33s GEKKOTAのメリットがあるところもそんなになかったので、iX-09w GEKKOTAで正解だったかな、と思っています。やはりガレた沢で疲れず走れるのが良いですね。

やはりハードエンデューロは先行逃げ切りですね。昨日は運もあって「日野スタジアム」で前に出ることができたので、良い順位に入ることができました。

昨日も今日もとても楽しいコースでした。おかげさまで年間ランキングも4位に入ることができましたので、また来年頑張ります!」

泉谷之則
GASGAS IRC シルバラード
GASGAS EC300
前:iX-07s(空気圧:0.6kgf)
後:iX-09w GEKKOTA(空気圧:0.4kgf)

「昨日は最初の轍でハマって出遅れてしまってギリギリ一周で7位、今日は最後の最後でミスコースしてしまって、1つ落として5位でした。

軽さ優先とコーナリングでの接地感からノーマルチューブを使っているので、リアの空気圧はあまり落とさず0.4kgfでいきました。沢よりもヒルクライムに焦点を合わせての選択です。iX-09w GEKKOTAの空気圧としては少し高めですが、このほうが潰れすぎないで走りやすいんです。

これまで2年連続でゼッケン6だったのですが、今年は日高で2位を獲ったこともあってランキング5位に入ることができました」