鈴木涼太が総合6位に食い込む走りでCOMP-Aクラスを席巻、JNCC第2戦

JNCC 第2戦ビッグディア広島
日時:2019年4月7日
会場:広島県テージャスランチ
天候:晴れ
コンディション:ドライ
PHOTO&TEXT:アニマルハウス

日本最大級のクロスカントリーレースJNCCが早くも第二戦を迎えた。開幕戦のプラザ阪下では馬場大貴が初の総合優勝を飾り、COMP-Aクラスでは鈴木涼太がクラス優勝など、モトクロス出身ライダーの活躍が目立った。

モトクロスライダー有利と言われるプラザ阪下と違い、ここテージャスランチはハードエンデューロも開催される難コース。ここで上位に入ることができれば、年間を通しての好成績が見えてくる。

天気予報は半々。マディでは難易度が跳ね上がるテージャスの土質だけに、前日の下見時には特に難所は雨を想定したライン取りも考ながらのものとなった。しかし、いざ当日になると天気は好転し、太陽が顔を出した。

レース直前、開幕戦でCOMP-Aクラス優勝を決めている鈴木涼太のマシンにトラブルが発生。キャブがオーバーフローしてしまったのをヤマハの大先輩である鈴木健二が修理していた。

ワークスライダー並みの対応でも完全に直るまでは至らず、鈴木涼太はスタートでエンジン始動に手間取り、COMP-Bクラスがスタートした後にようやく走り始めることができた。さすがにクラス最後尾からの追い上げは厳しかったのか、1周目をクラス9位、総合25位で戻ってきた。

それでも鈴木はモトクロスIAライダーの地力を見せ、7周目にはクラストップに立つと、しっかりその順位をキープ。COMP-AAライダーたちに分け入り総合でも6位でチェッカー。モトクロスライダーでありながら、スピードだけでなくテクニックも持ち合わせていることをアピールした。

MTBダウンヒルでHRCファクトリーライダーの経歴をもつ内嶋亮が鈴木と同じCOMP-Aクラスに出走した。肋骨の怪我をおしながらの出場ではあったものの、1周目からクラス2位(総合12位)でCOMP-AAクラスに混じって走り、実力を示した。

追い上げてきた鈴木を抑えきれず、クラス3位、総合10位でレースを終えたが、難所の多い広島テージャスランチのコースに対して手応えを感じており、次戦以降での活躍が楽しみだ。

鈴木涼太
TEAM STW
YAMAHA YZ250X
前:iX-07s(空気圧:0.5kgf)
後:VE-33s GEKKOTA(空気圧:0.5kgf)

「今回はスタートでマシントラブルから出遅れてしまい、とても大変なレースでした。でもここで勝てないと開幕戦はモトクロスコースメインだから、と言われてしまうので、死ぬ気で頑張りました。

下見した時にコースがすごく難しくて、沢とかラスベガスっていう登りなど走ったことないようなセクションが多かったです。さらにスタートのトラブルもあって本当に大変なレースになりました。

リアタイヤはVE-33s GEKKOTAを使っているのですが、柔らかくてグリップが良いし、最後までブロックがもってくれてとても助かりました。パンクの心配がかなりあるコースでしたので、スピードに乗るところはパンクしないようにラインを選んで走りました。

ライバルの内嶋さんがハードコースを得意にしているので、勝てて本当に嬉しいです。自分もレース前なのにマシンを見てくださった鈴木健二選手には、本当に感謝しています」

内嶋亮
DYNOCO
YAMAHA YZ125X
前:iX-09w GEKKOTA(空気圧:0.7kgf)
後:VE-33s GEKKOTA(ムース)

「これまで自分が参戦したJNCCの中で一番ハードなコースでした。難所は得意分野なのですが、肋骨にトラブルを抱えており思うようにペースをあげることができませんでした。

ですが、最近ハード系の練習をメインにやっているおかげで1年前より格段にヒルクライムが登れるようになっていることを実感でき、大幅にショートカットできるボーナスラインも一回のミスで終えることができました。

JNCCではリアタイヤはVE-33s GEKKOTAが本当に素晴らしく、ハイスピードにも難所系にも対応できるので、これ一択という感じですね。次の鈴蘭までには怪我をしっかり治して優勝を狙います」