驚愕の1周121km、日高2デイズエンデューロで前橋孝洋がパーフェクトウィン

JEC全日本エンデューロ選手権 第3戦 日高ツーデイズエンデューロ
日時:9月15日、16日
会場:北海道日高町
天気:晴れ
コンディション:ドライ
PHOTO&TEXT:アニマルハウス

レース開催の1週間前に北海道胆振東部地震に見舞われた日高町だったが、現地マーシャルや日高町の方々の尽力により予定通り開催することができた。コースはなんと1周121kmもの超ロング設定で、DAY1のみIA、IB、NAクラスにはルートをショートカットして3つのテストを繋いだ2周目が用意された。

予報では雨予報も出ていたが、蓋を開けてみれば2日間通して晴天。国内のみならず世界から集まったライダーたちは稀に見るベストコンディションの日高を堪能する幸福を味わった。

IAクラスに参戦する前橋孝洋は22歳のクラス最年少。1日目最初のゲレンデテストからクラストップタイムを連発。結局DAY1ではすべてのテストで1番時計を記録し、優勝。

明けてDAY2でも前橋の勢いは止まらない。結局2日間通してテスト内では無転倒、すべてのテストでクラス1位のタイムをだし、パーフェクトウィンを成し遂げた。前橋はこの日高で2年連続DAY1で勝利を収めているが、2日間とも優勝したのは初めて。

また、在原勉はDAY1のゲレンデテスト10位でスタートを切ったが、高速の西山エンデューロテストでは6番時計、2回目のゲレンデテストでも6番時計を刻むなど好調を維持し、DAY1を7位で終えた。

DAY2では最後のゲレンデテストで5番時計をだすものの、西山エンデューロテストで伸び悩み、9位。総合8位という結果でレースを終えた。

DAY1、荒川一佳は順調な滑り出しを見せ、ゲレンデテストで6番、西山エンデューロテストで5番、貯木場テストで5番と好調だった。しかし、一周120kmを走りきって戻ってきた最後のゲレンデテストでガス欠になってしまい、DNFに。

気を取り直して挑んだDAY2では三島エンデューロテストで2度の転倒を喫し、18番時計に。DAY2は11位という結果。

また、IBクラスの飯塚翼はDAY1の西山エンデューロテストで6番時計と調子を崩すも、そこから3テスト連続で2番時計を記録、さらに2回目の貯木場テストでは1番時計を叩き出し、DAY1を3位で終えた。

DAY2、さらに調子をあげた飯塚は三島エンデューロテストで、IAトップタイムの前橋を上回るタイムを叩き出し、1番時計。合計で2位に約3秒差と迫ったが、惜しくも3位という結果に。

ウイメンズクラスは多くのライダーが水没に苦しめられた。菅原聖子も例に漏れずDAY1のルートで水没を喫し、遅着ペナルティでタイムアウトしてしまうが、すべてのテストを走りきりDAY2に繋ぐことができた。

空気圧を下げて臨んだDAY2はカナダから来日したLexi Pechoutについで2番時計を連発。遅着もなく2位を獲得した。

前橋孝洋
モトクラブ オープンエリア

KTM 250EXC-F
前:ix-07s(ムース)
後:BR-99(ムース)
「以前はフロントにix-09wを使用してましたが、マシンの違いもありix-07sをチョイスしました。テスト、ルート共にとても良い感触で正解な組み合わせだったと思います。苦手なグラストラックやガレ場での操作性が少し不安でしたが、神経質になることもなく走破出来ました。ドロドロでハイスピードな林道では、少し逃げることがありましたが、コントロール可能な範囲内でした。1日目の終了後にリアタイヤを交換し、2日間通してテストでの転倒はゼロで終えることができました」

在原勉
OC幕張 with iRC和田屋

KTM 250EXC TPI
前:ix-07s(ムース)
後:BR-99(ムース)
「朝のゲレンデの少しウェットな路面でもタイヤがしっかりグリップしてくれ、水切りもフロントアップでクリアし、自分なりに攻めた走りをすることができました。また、ルートで川渡りがあったのですが、大きめの石に引っかかってしまった時も、リアタイヤのグリップに助けられました。西山エンデューロテストではハイスピードなブラインドコーナーが多かったのですが、あまり突っ込みすぎず、スライドをしっかりコントロールして走ることができ、好成績につながりました。貯木場テストのウッドチップや廃木などでも加速でき、改めてBR-99の信頼感と耐久性を確認できたレースになりました」

荒川一佳
FFMC-岡山 &SHELCO racing 

SHELCO SE-R 250
前:BR-99 
後:BR-99
「DAY1は調子が良かったのですが、2回目のゲレンデテストでガス欠をしてしまい、ゲレンデを登りきることが出来ませんでした。テスト前にすでにリザーブに入っていたのですが、こうなった時の対応が出来なかったのと、給油ポイントで遅着してでも満タンにしていなかった自分の心の弱さが出てしまいました。DAY2はまずまずでしたが、三島エンデューロテストでバイクに足を挟まれる転倒を2回もしてしまいレースをコントロールすることが出来ませんでした。今回の日高は反省点の多いレースとなってしまいましたが、個々のテストタイムでは良い順位に入ることができたのは、BR-99のおかげだと思います」

飯塚翼
オレンジカウンティ幕張 with 成田MXパーク

KTM 250EXC-F
前:ix-09w(ムース)
後:BR-99(ムース)
「今回はDAY1終了後、初めてのタイヤ交換をして、2日間ともベストな状態でレースに臨むことができました。
天気が良くて概ねドライだったのですが、DAY1早朝、朝露で濡れたゲレンデテストでもスリップすることなくとても好印象でした。三島エンデューロテストやルートの川渡りでは、川底の石でリア、フロント共に滑ることなく、攻めて走ることができました。結果として三島エンデューロテストでは IAクラスも含めてトップタイムを取ることができたのでよかったです。次はファイナルクロスがあるSUGOなので、絶対に1位を取りたいと思います」

菅原聖子
Flagship Racing/TEAM SPEED

YAMAHA YZ250FX
前:ix-09w(空気圧:0.8kgf/㎠)
後:BR-99(空気圧:DAY1 0.6kgf/㎠ DAY2 0.5kgf/㎠)
「DAY1は早々に水没してしまい、TC1の時点でタイムオーバー失格になってしまいました。ルートの木の根やガレ場の登りで苦労することが多かったので、DAY2は空気圧を0.5まで下げました。そうしたら前日スタックした場所もグリップ感が増し、簡単にクリアすることが出来ました。ゲレンデのクロステストもしっかり攻めることができたと思います。空気圧を0.1下げるだけでもグリップ感が全然違ったので驚きました。ただ、林道が多く使われてる西山エンデューロテストはパンクさせないように気をつけて走りました。フロントにはマディに相性が良いix-09wを使いました。しっかりブロックが刺さってくれたので、フロントから滑って転ぶことが一度もありませんでした」