ISDEから戻った前橋が総合4位、菅原がWクラスで独走。JEC最終戦 恋の浦シーサイド
JEC全日本エンデューロ選手権 第5戦、第6戦
日時:2019年11月30日、12月1日
会場:福岡県恋の浦シーサイドエンデューロパーク
天候:晴れ
コンディション:ドライ
PHOTO&TEXT:アニマルハウス
全日本エンデューロ選手権もいよいよ最終戦。つい先日ISDEに出場し、日本人初のゴールドメダルを獲得した釘村忠が、そのISDEの5日目に負った怪我を押して出場した。そして唯一のISDE経験者として釘村と共に6日間を戦い抜いた前橋孝洋も、得意の4ストロークマシンに乗り換え、本来の実力を遺憾無く発揮した。
レース前に降っていた雨の影響でマディレースが心配されたが、当日は快晴でベストコンディション。初の全日本開催となる恋の浦は海沿いの景観地であることからも最高のシチュエーションでレースは行われた。
DAY1、釘村と鈴木健二がトップ争いを繰り広げる中、前橋はIAルーキー組の保坂修一と齋藤祐太朗と共に3番手争いを展開。3〜4番時計が多かったものの、テスト4では8番、テスト6では15番とミスで順位を落としてしまう場面もあった。結果DAY1は5位。
続いてDAY2は、250XC-Fの乗り方を思い出したのかテストでのミスが減り、3〜4番時計を連発。終盤に7、8番まで落としてしまうものの、4位でフィニッシュ。2日総合でも4位という成績に。
年間ランキングは6位。昨年の怪我の影響で第1戦を欠場しているため、例年よりもランキングは落としてしまったが、ISDE完走も含め大きな経験を積んだ一年となった。
また、前橋と同じIAクラスの荒川一佳も昨年に続き2年連続でISDEに参戦していた。今大会ではテスト1で19番時計と出遅れたものの、次第に自分のペースを取り戻してきて11番時計も3回記録し、DAY1は14位でまとめた。DAY2ではさらにペースを上げることに成功し、最終テストでは8番時計も記録。12位でレースを終えた。
ウィメンズクラスでは今年3勝をマークしている菅原聖子がすでに年間チャンピオンを決定している。この恋の浦は菅原の地元ということもあり、圧倒的な実力を見せつけた。
DAY1はミスを犯した最終テスト以外すべてのテストでトップタイムを記録し、4分以上のビハインドを持って優勝。さらにDAY2でもテスト6を覗きトップタイム。今年のレースで表彰台のてっぺんを逃したのは日高のDAY2のみという圧勝ぶりで今シーズンを締めくくった。
前橋孝洋
モトクラブオープンエリア
KTM 250XC-F
前:iX-07s(ムース)
後:BR-99(ムース)
「初開催の恋の浦ですが、普段走っているいなべモーターランドと山の感じが似ていて、すぐに慣れることができました。急に跳ねたりすることもなく、いつも通りタイヤに助けてもらえました。
掘れてくると若干難しいところはありましたが、タイヤの消耗も早くはなく、安心して走ることができました。マディになってくるとどうなるかわかりませんが、今回のコンディションであればベストな選択だったと思います。特にフロントは2日間通して同じタイヤを使うことができ、木の根っこなども感触がよく不安を感じることはありませんでした。
ISDEに向けてずっと2ストロークマシンで練習してきましたので、久しぶりに4ストで、慣れるのにちょっと時間がかかってしまいました。テストで前転してしまったり、ルートで崖落ちしてしまったりミスも目立ってしまいました」
荒川一佳
FFMC-岡山/SHERCO
SHERCO YZ250
前:iX-07s(ムース)
後:BR99(ムース)
「Day1は下見テストから体の動きが重くてレースにならない、ヤバイと追い込まれました。テストを終えてタイムコントロールで他の選手の話を聞いたら皆さん攻めれないとの事でした。そこから肩の力も抜けて自分の走りができました。
Day2に向けてタイヤ交換はしませんでしたが、朝から体も動くようになってうまくレースに入って行けました。テストも集中出来ましたし大きなミスもなくフィニッシュしました。
タイヤに関しては今シーズンは前後同じパターンで使いました。タイヤも固定して使うことでさらにタイヤの持っている良さを発揮できるような走り方を習得することができました」
菅原聖子
Team Life / Honda Dream 北九州
Honda CRF250RX
前:iX-07s
後:VE-33s GEKKOTA(0.4kgf)
「ウィメンズはタイヤのFIM規制がないので、オールマイティなVE-33s GEKKOTAを使いました。グリップは2日間ともまったく問題なかったです。ここは木の根っこがたくさん出ているので本当にタイヤに助けられました。またフロントは石や切り株が多く、跳ねられてしまうコースなので、iX-07sを選択しました。2日目に路面が荒れてきてもタイヤで困ることはなかったですね。
2週間前に練習で怪我をしてしまって、昨日も今日もあまり攻め切れた感はないのですが、怪我なく走りきることができてよかったです。
今日承認クラスで走っていた楠本菜月選手と、テストに入るタイミングが一緒だったのですが、とても速くて。来年はウィメンズで出場する予定らしいので、楽しみです」