出口隼飛が総合4位! Aクラスチャンピオンの行方は最終戦AAGPへ JNCC R6.ほうのき

JNCC 第6戦ドリーミンほうのき
日時:2019年9月22日
会場:ほうのき平スキー場
天候:晴れ
コンディション:マディ
PHOTO&TEXT:アニマルハウス

JNCCほうのきは「クリフハンガー」「ほうのき転がし」といった急斜度のダウンヒルを要し、攻略が難しいコースとして知られている。今大会でもCOMP-AA1クラスの年間チャンピオンを争う馬場大貴がほうのきの魔の手に捕まり、わずかに残っていたチャンピオンの可能性を失い、渡辺学が最終戦を待たずして年間チャンピオンを決めた。

対して俄然面白くなったのがCOMP-Aクラスだ。今年は開幕戦から若きMXライダー、鈴木涼太が連勝し、中盤戦にマシンをBETAにチェンジしたベテラン、内嶋亮が追い上げを見せていた。

台風の影響で極悪コンディションでのレースが予想されていたが、レースデーとなる日曜日は見事な台風一過。ベストコンディション、ハイスピードなレースとなった。

チャンピオンを獲るためにはこれ以上一戦も落とせない鈴木は、とにかく攻める。もちろん内嶋も簡単には前を譲らない。COMP-AAクラスを含んだ総合順位でも7〜8番手となるCOMP-Aクラスのトップ争いは、2時間近くも続いた。

しかし7周目の後半、内嶋は運悪くフロントタイヤをパンクさせてしまい、さらにその状態で走ったことでペースダウンからの、転倒。手首を捻挫してしまい、大事をとってレースを離脱した。

一方、鈴木は内嶋離脱後、トップを守りきり、クラス優勝。そして総合でも7位に入り、再びCOMP-Aクラスのランキングトップに躍り出た。

また、なかなか安定した成績が出せていなかった出口隼飛が、CRF250にマシンをチェンジした前回の爺ヶ岳から好調を維持。一周目こそ転倒が重なり、出遅れたが持ち前のスピードでぐんぐん順位を回復し、最終的にはCOMP-AA1クラス4位に入った。

スタートの出遅れと、一周目のロスがなければ、十分に表彰台も狙える走り。最終戦AAGPでの活躍に期待が集まる。

鈴木涼太
TEAM STW
YAMAHA YZ250X
前:iX-07s(ムース)
後:VE-33(ムース)

「ほうのきはウッズやガレが少ないので、リアタイヤはVE-33を使いました。フロントは愛用しているiX-07sを使ったのですが、中のムース圧がちょっと低下していて、ずっとフロントが滑るような感じがありました。今回は0.5相当のムースを使ったのですが、スピードコースは0.7以上を目安にするべきだと再認識しました。

走り出してみると本当にハイスピードで、前半はリアタイヤのヨレを気にして丁寧なアクセルワークを心がけて走っていました。でもVE-33は飛ばしても全くヨレを感じることがなく、後半のスパートを助けてくれました。ヒルクライムなどでも横に逃げることなく、しっかり直登できるイメージがありました。

これでAA昇格は確実ですが、AAで活躍するにはまだまだスピードが足りないと感じていますので、練習に励みます!」

内嶋亮
DYNOCO
BETA RR2T200
前:iX-07s(空気圧:0.6kgf)
後:VE-33s GEKKOTA(ムース)

「急な下りのキャンバーを意識してフロントによく刺さるiX-07sを選びました。ガレは少ないコースですが、石畳みのような路面も出てくると想定してVE-33s GEKKOTAにしました。ソフト路面の食いつきと、硬い路面での粘る感じのグリップが最高ですね。

体の状態もよかったし、コースも得意だったし、過去最高位の総合5位も狙える状況だったのですが、パンクと自分のミスでレースを落としてしまいました。次回はいよいよ最終戦です。クラスチャンピオンは難しいかもしれませんが、今季を通して楽しく、本気でレースをさせてくれた鈴木選手との最後のバトルを楽しみたいと思います」

出口隼飛
RSPサービス&スコイコ&DHSR
CRF250R
前:iX-07s(ムース)
後:iX-07s(ムース)

「自分はやはりモトクロスタイヤの方が合っていると考えリアにもiX-07sを選択しました。中身のムースも新品のものを使っています。今回のコースは下側はドライでハイスピード、山の上の方はツルツル路面や草だらけの激下りでオールラウンドな走破力が試されましたね。

その点、iX-07sはメーカーの性能表示通り、バランスよくグリップしてくれ、マイナス面は特に感じませんでした。一周目に4回の転倒を喫し、追い上げのレースになりましたが、今回からビッグタンクを導入し、燃料の心配がなくなりましたので、今年初めてアクセル全開のレブ域を使ってかなりプッシュして走りました」