JNCC第3戦で斉木達也がゲコタで好成績をマーク、G-NET王者の高橋博も参戦

JNCC第3戦ワイルドボア鈴蘭
日時:5月14日
会場:岐阜県鈴蘭高原スキー場
天候:晴れ
コンディション:マディ
PHOTO&TEXT:稲垣正倫

JNCCは日本国内で最大級のエントリー数を誇るクロスカントリーレース。今大会も400名を超えるライダーが鈴蘭高原スキー場に集まった。鈴蘭高原スキー場は岐阜県高山市に位置する閉鎖されたスキー場で、毎年このレースの時だけ入ることができる。

レース前日の土曜日には下見ツアーや試乗会が予定されていたが、大雨の影響で試乗会は中止。コンディションの悪化を予測して急遽タイヤを交換するエントラントもいた。

そんな中、昨年ランキング2位の斉木達也はiRCのiX-09W GEKKOTAをチョイス。昨年、第4戦の爺ヶ岳スキー場で斉木の優勝を支えたタイヤだ。

斉木は一周目から攻めの走りを見せ、チャンピオン小池田猛に果敢に挑んでいった。鈴蘭高原のガレた登りやキャンバーに、ゲコタの特性がよくマッチしたという。

周回が進むにつれてコースの所々でスタックする周回遅れのライダーにラインを限定され、路面は堀り返されてツルツルの土質に。斉木は惜しくも表彰台に届かず4位となったが、勢いのあるライディングで自身の復調とゲコタの底力をアピールした。

また、iRCのサポート、開発ライダーでもあるG-NETチャンピオンの高橋博も斉木と同じCOMP AA1クラスに出場した。

高橋が普段出ているハードエンデューロレースとは違い、3時間のレース時間中、ほとんど休めるところのないハイスピードなクロスカントリーではあるが、前日の雨で難易度を増したコンディションが、難所を得意とする高橋には有利に働いた。

鈴蘭のコースには「ショータイム」と呼ばれ、大幅なショートカットになる急なヒルクライムがある。そこで高橋は他のライダーと異なる、より難易度の高いヒルクライムに挑戦して魅せ場を作ると、コンディションが悪化したレース後半、他のライダーが「ショータイム」に挑戦せず迂回するようになってからも果敢に挑み、徐々に順位を上げていった。最終的にはクラス15位、総合19位でレースを終えた。

斉木達也
KTM Japan Racing
KTM350SX-F
後:iX-09W GEKKOTA

「ラスト3周までは3位についていたのですが、そこで埋まってしまい、抜かれてしまいました。とくに前半はゲコタがすごくよくグリップしてくれて、良い走りをすることができたと思います。レース終わっても山は全然残っていたので、耐久性も抜群ですね。今回は勝つことができませんでしたが、やっぱり石が多いステージはゲコタがとてもよいので、次の爺ヶ岳も使用したいと思います」

高橋博
チーム Beta enjoys
Beta RR2T300
前:iX-07S
後:iX-09W GEKKOTA

「今回は来月のG-NET広島対策という意味もあって、いろいろテストしたいことがあったので、久しぶりにJNCCに参戦しました。試しにムースを履いてみたのですが、普段チューブで練習しているもので、だいぶ乗り心地が変わってしまって苦労してしまいました。リアは去年のG-NET北海道で使ったムースで体感だと0.25位の圧でした。難所などではよかったのですが、ハイスピードのところでパンクしたみたくヨレてしまいました。ムースの研究不足ですね。
 レース自体は苦しかったですけど、以前出た時よりも進歩しているのが感じられました。ハイスピードのセクションで後ろから速いライダーに抜かれることもありましたが、そのぶん難所ではうまくすり抜けて前に出ることもできました」