G-NET2019開幕戦、ギリギリまでタイヤの選択に悩むハードコースを王者高橋が制した
G-NET全日本ハードエンデューロ選手権 第1戦 CGCひなまつりエンデューロ
日時:2019年3月3日
会場:奈良県奈良トライアルマウンテン
天候:雨のち曇り
コンディション:ややマディ
PHOTO&TEXT:ANIMALHOUSE
昨年の最終戦、ギリギリまで競ったチャンピオン争いの末、高橋博が5連覇を成し遂げたG-NET全日本ハードエンデューロ選手権。今年は最終戦HINO HARD ENDUROを2デイズとし、全6戦中5戦の有効ポイント制で争われる。
大きな岩が無数に置かれたガレセクションやフカフカのヒルクライム、ラインを誤ると抜け出せなくなる沼、さらに急斜度のヒルクライムなど、実に多彩なコース設定となった奈良トライアルマウンテンで、2019シーズンは開幕となった。
iRCタイヤはこの大会の直前にiX-09w GEKKOTAのリア16インチを新たにリリース。会場での販売・装着サービスも行い、ミニバイククラスやおひなさま(レディース)クラスではさっそく装着するライダーがいた。また、開発ライダーである和泉拓はBETAのX-Trainerに16インチタイヤを装着した通称「ミニトレ」を駆り、ミニバイククラスとG-NETクラスに参戦した。
和泉はミニバイククラスを余裕の優勝、さらにG-NETクラスでも2周目の後半までコマを進め15位。iX-09w GEKKOTA 16インチの性能を証明すると共に、足つきに悩むライダーたちに新しい可能性を示してみせた。
チャンピオン高橋博は多くの観客が見守るロックセクションでラインを誤り、スタートから出遅れてしまった。奈良トラのコースは大きく前後半に分けることができ、ちょうど中盤にパドック前のガレ場に戻ってくる構成になっていた。高橋はこの前半で大きく巻き返し、2位で前半を終えると後半をトップで戻ってきた。
その後もトップを譲ることなく3周を回り、開幕戦優勝を手にした。
泉谷之則は今シーズンからマシンをGASGAS EC300に乗り換えた。レースはヤチでハマってしまってタイムをロスしながらも2周したところで残り15分となり、そこでレースを終えた。順位は11位、表彰台にあと一つ、届かなかった。
新しいマシンについて泉谷は「車体がとてもスリムなのと、エンジンが上までよく回ってくれるのが気に入っています。また、KYBのサスペンションがとてもよく動いてくれて乗っていて気持ちいいんです。重心が低いのか、マシンがとても軽く感じます」と語った。
和泉拓
BETA X-Trainer300
TeamBetaストレンジiRC
前:iX-09w (空気圧0.7kgf/㎠)
後:iX-09w GEKKOTA 16インチ(空気圧0.6kgf/㎠)
「今回は16インチのiX-09w GEKKOTAが発売したので、フルサイズのX-Trainerに16インチホイールを履かせて使用してみました。とにかくマシンが軽くて全部で約5kgも軽量化できたことがメリットでしたね。また、轍が深いから立てないけど急斜度のヒルクライムでフロントが浮いてこないから座ったままでもすごく登ります。後半の難所「練馬ヒル」も相当上まで行けました。もっとデメリットが多いかと思ったのですが、そうでもなくて足つき性の良さや軽さなどメリットの方が大きかったように感じました」
高橋博
BETA RR2T300
チームベータiRCエンジョイズ
iX-07s(空気圧0.6kgf/㎠)
VE-33s GEKKOTA(空気圧0.4kgf/㎠)
「最初のガレでラインを間違えてしまって、苦労しました。そのあとすぐにセローヒルかヤチあたりでトップに立ったのですが、一回水上泰佑選手に抜かれてしまって、大仏ロックのところでもう一回抜き返しましたね。終盤には山本礼人選手もすぐ後ろまで迫ってきて、楽しい勝負ができました。かなり走りごたえがあって面白いコースでしたが、やっぱりパドック前のロックセクションが一番しんどかったですね。タイヤはギリギリまで悩みましたが、結局VE-33s GEKKOTAにしました。決め手はやっぱり土でよくグリップするからですね。ガレよりもヒルクライムに焦点を当てました。石は絶対にiX-09w GEKKOTAの方が良いので、本当に悩みましたね。前半でしっかりリードを作って逃げ切れたので、結果オーライです」
泉谷之則
GASGAS EC300
GASGAS iRC シルバラード
iX-07s(空気圧0.6kgf/㎠)
iX-09w GEKKOTA(空気圧0.4kgf/㎠)
「今回は沢やガレが多いコースでしたので、VE-33s GEKKOTAよりもiX-09w GEKKOTAが向いていると思い、選択しました。ヒルクライムはブロックの角があればグリップするかな、と。iX-09w GEKKOTAのおかげで最初の沢で他のタイヤを選んだライダーに対してアドバンテージを築くことができました。1月末くらいに今年のマシンが納車されて、それから今日のレースに向けて乗り込んできました。スプロケットの丁数だけでは測れない違いが色々あって、今回はセッティングを完璧に煮詰めることができませんでしたが、今後乗り込みながらどんどんマシンを作り込んでいこうと思います」